Column コラム

リスボンでファドを聴く

2019.4.12

マデイラ島に行く前後、リスボンに宿泊する機会が少なからずあると思います。
ポルトガルという国は、スペインのように大々的に宣伝するような観光名所はありませんが、地味に渋く美しい観光場所がたくさんあります。
そしてポルトガルのガイドブックには必ず「ファドを聴きに行こう!」のようなページがあります。ファドはポルトガルの民族歌謡で、例えるならばフランス=シャンソン、イタリア=カンツォーネ、のようなその国の歌の代名詞のようなものです。Fadoはポルトガル語で「宿命」や「運命」を意味し、通常、ポルトガルギター(ギターラ)とクラシックギター(ヴィオラ)を伴奏に、歌手が情熱をこめて歌います。
ですから、ファドと聞くと「哀愁漂う」とか「苦しい恋の胸のうち」とか、ちょっと暗い感じの音楽と思っている方が多いかもしれません。

ファドを聴けるお店は、観光客でも気軽に入れるお店や、地元の人たちでにぎわう、少し入りにくい雰囲気のお店など千差万別です。
エリアとしてはアルファマ地区やバイロアルト地区にはたくさんあり、食事をとりながら楽しめるお店、夜も更けるころから盛り上がるお店など、お店の雰囲気も色々ですし、歌い手などもたくさんいます。お客さんが飛び入りで歌いだす、なんてこともあります。
ファドを聴くときのマナー。それは決して音を立てない事!
おしゃべりはもちろん、口ずさんだり、手拍子もダメなのです!
演奏者以外は一切音を立ててはいけない、という音楽なのでこのような注意事項になるそうです。(この解釈は人にもよりますが、静かに聴きましょう、ということです)
でも、明るい陽気な歌もあって、歌い手が「皆さんご一緒に!」と呼び掛けて一緒に歌ったり、手拍子をしたりします。
思い切ってアルファマへ出かけてみたら、あなたの知っているファドと違うファドが聞けるかもしれませんよ。