Column コラム

旅するワインと旅するチーズ

2021.11.28

旅するワイン

だんだん寒さが強くなってきましたね。
今日のコラムはお知らせもかねて、ある「チーズ」のことを書きたいと思います。

マデイラワインは「旅するワイン」と言われています。
大航海時代に、寄港地だったマデイラ島で食料や水と一緒にワインも積み込まれて、様々な目的地まで船旅をしました。そして過酷な条件下なのに、なぜか美味しくなったことから、マデイラ島のワインが当時有名になりました。
非常に珍重され、イギリスではマデイラ島からのワインの出荷の際、こことここに寄ってイギリスへ持ってくるように、と指定してわざわざ航海をさせるほど。そうすることにより、その旅するワインの価値を上げていったのでした。

旅するチーズ

一方、大航海時代で名を馳せたのはポルトガル、スペインだけではありません。
激しい争いを繰り広げた両国の後に台頭してきたのがオランダです。
オランダは海外進出を始めます。
その時にやはり必要なのが食料です。オランダは酪農を、チーズやバターに高い付加価値をつけた酪農製品をつくり、経済産業のひとつにしていきました。
オランダのチーズはヨーロッパで評判を呼び、輸出が増えるようになりました。
そこで、長い船旅に耐えられるようなチーズを改良していきました。
チーズの外皮をワックスで覆うのです。
「ゴーダ」「エダム」は黄色や赤などのワックスに覆われました。
また輸送に耐えうる硬さとなり、球形のエダムチーズは衝撃にも強いので、樽詰めにされて船に積み込まれ、船員の食料として大切な役割を果たしました。
1691年には、徳川幕府(徳川綱吉時代)へ「エダムチーズ」と「ゴーダチーズ」が献上されたという記録が残っています。 
(参考:NPO法人チーズプロフェッショナル協会著『チーズの教本』)

イギリスも…

また、大航海時代に広がったチーズの中にイギリス発祥の「チェダーチーズ」もあります。
これはイギリスが世界中に植民地を作った際に、入植した人たちが、現地でチーズを作ったことに由来します。ですから、オーストラリア、ニュージーランド、そして「新大陸」アメリカでも「チェダーチーズ」は作られていますね。
また、その製法で作られる独自のチーズが、今ではその国々の独自のチーズとして愛されています。

マデイラとチーズの美味しいお知らせ

ということで、ここからはお知らせです。
12月11日(土)13時から、ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン新宿校」さんにて、マデイラワインとチーズの特別セミナーが開催されます。
題して「マデイラとパルミジャーノ・レッジャーノの マリアージュ」
…ゴーダでも、エダムでもないんですが…でも!パルミジャーノ・レッジャーノです!
パルミジャーノ・レッジャーノは「チーズの王様」と言われる熟成ハードチーズ。
添加物を一切使わず、北イタリアの限られた地域で約1,000年の伝統を守って作られている職人と自然が育むチーズで、長い熟成の間に育まれる深い旨味と豊かな風味、独特な食感が特徴です。
皆さんにも馴染みのあるチーズだと思いますが、熟成の長さによって風味が全く異なるのはご存じですか?
今回はマデイラワインとのペアリングで、どの品種と相性がいいのか等色々試してみたいと思っています。
マデイラワインについても難しい話はしませんし、チーズの説明は経験豊富で確かな知識をお持ちの山田好美講師がわかりやすく説明します。
スクールに通っている人じゃなくても受講可能!(会員登録をしてお申込みください)
お申込み&詳細はコチラから。

来ていただいた方には損はさせません。
お土産付きで、きっと楽しい2時間になりますよ。
フフフ…。
ということで、12月11日、お待ちしています!