Grapes & Producers
of Madeira Wine マデイラ島のブドウと生産者
- TOP
- Grapes & Producers of Madeira Wine
マデイラワインはポルトガル領マデイラ島で造られている酒精強化ワインです。
ワインを造る途中でアルコール(96度のグレープスピリッツ)を添加し、強制的に発酵を止める事によって残糖を調整します。その後、ワインに熱を加えて熟成させます。マデイラワインの最大の特徴はこの「加熱」です。加熱することで意図的に酸化させて熟成させます。この加熱・酸化熟成を経ることでワインが濃縮し独特の深い香りと味わいとなっていきます。
-
Tinta Negra
ティンタ・ネグラ19世紀にマデイラ島へ導入された唯一の黒品種。
小さい実だがとても丈夫で、皮が大変薄い。
島へ導入された当時から、島の環境に簡単に適応したつわもの。
味わいは辛、中辛、中甘、甘口と造りだせるマルチプレーヤー。 -
Sercial
セルシアルブドウの天敵・病害に強い白品種。酸味、収斂味(しゅうれんみ)が強いことが他の品種との大きな違い。辛口タイプのワインを造りだす。
-
Verdelho
ヴェルデーリョ大陸ポルトガルが原産と言われている。
かつては、もっとも多く栽培していた品種。中辛口タイプのワインを造りだす。
最近では、マデイラワインだけではなくテーブルワインも造っている。 -
Boal(Bual)
ブアル大陸ポルトガル原産の白品種。芳醇で酸味と甘さのバランスがよい。生産量が少ないため、高価で扱われることが多い。
中甘口のワインを造りだす。
-
Malvasia(Malmsey)
マルヴァジア(マルムジー)マデイラ島に最初に植えられた、ギリシャ・クレタ島原産の白品種。
甘口タイプのワインを造りだし、マデイラワインの中でもっともリッチで濃度の高いワイン。
マルムジーとも呼ばれる。 -
Terrantez
テランテス絶滅危惧品種のひとつ。ポルトガルのことわざに「食べるためでも人に与えるためでもなく、ワインを造るために神はテランテスを造られた」とあるほど、そのワインは繊細で美味。
造り手により、中辛口や中甘口などタイプが変わる。
-
Bastardo
バスタルドこちらも絶滅危惧品種の黒ブドウ。しかし、ポルトガル本土では広く植えられ、同じ酒精強化ワインのポートワインにも使用。マデイラワインでは、オールドヴィンテージでのみ。
バスタルド自体は甘口だが、造られるワインは中辛口。 -
Moscatel
モスカテル絶滅危惧品種の白ブドウ。そのルーツは、マスカット・オブ・アレキサンドリアともモスカテル・デ・キンタとも言われる。そもそも、テーブルワインには高価なため、マデイラワインには使われなかった。しかし、その味わいは、オールドヴィンテージで発揮。
品種の表記について
マデイラワイン協会で決められたマデイラワインの定義では、85%以上使用していれば、その品種をボトルに表記してよいことになっています。しかし、現在では、単一品種100%で製造しているワイナリーがほとんどです。
1946年、マリオ・バーベイトが設立したヴィニョス・バーベイトは、マデイラ島でも珍しい家族経営の、マデイラワインを代表するワイナリーです。
伝統的な醸造方法を継承する一方、1991年には、当社・木下インターナショナルによる資本参加(50%)。以降、現ワインメーカー兼社長のリカルド・フレイタスを筆頭に、ワイン造りにおけるさまざまな分野での革新が始まりました。
バーベイトの特徴は、そのシャープな酸味。ブドウの産地や収穫時期、醸造、熟成、ブレンドまで細心の注意を払い、最高のバランスを追及しています。その繊細でエレガントなスタイルは、世界的著名なワインライターのジャンシス・ロビンソンに「マデイラのラフィット」と絶賛されたほどです。
伝統、情熱、そして未来への継承
・契約農家に栽培方法を指導するなどの密接な関係を構築し、高品質なブドウを獲得
・3年熟成ワインの加熱熟成に使用する最新型エストゥファ(加熱熟成システム)の開発
・太陽熱を利用した天然の加熱熟成方式カンテイロに、研究を重ね完成したドーム型カンテイロを使用
・エイジド・ヴァラエタルにおける単一品種100%使用と、カラメル(着色料)の使用禁止
など、革新的で本質的なマデイラワインを造るための情熱と挑戦が、世界を驚かせるマデイラワインを生み出しています。酒精強化を終えたワインは、3年熟成タイプであればエストゥファで3か月間の熟成後、さらに2年以上の樽熟成。それ以上の熟成タイプであれば、450~600Lのフレンチオークの古樽に移したカンテイロで熟成します。
マデイラワインの特徴
ブドウの個性と酒精強化のタイミングにより、甘辛の味わいは調整。屋根裏の倉庫にワインの樽を置いて太陽光でゆっくりと温めるカンテイロ方式、タンクや樽内のワインを人工的に短時間で加熱処理するエストゥファ方式、これら熟成方法のどちらかを経て、瓶詰めします。
最新設備を備えた新ワイナリー
2008年11月、バーベイト社は最新設備を誇るワイナリーを新設。 ワイナリーでは、タンク内のワインが焦げないよう外周から内部のワインを温め(ジャケット方式)、加熱温度をコンピュータ制御できる最新式のエストゥファ(ワインを人工的に温めるタンク)を引き続き運用しています。これに加えて、果汁成分の抽出に最適な足踏み玉砕を機械で再現した「ロボットラガール」を島内で初めて導入。充実した果汁を絞ることに成功しました。ほかにも、マデイラワイン熟成のために熱吸収効率を向上させるよう考え抜いたドーム型カンテイロ(熟成庫)を建設。それまで手作業だった瓶詰作業をライン化し、スピーディで安定した生産環境も実現。また、見学者がテイスティングや実際に使用するブドウを目で見て理解し、楽しむための工夫をしています。
ブランディーズは、1811年にジョン・ブランディが設立した家族経営のマデイラワインメーカーです。
マデイラワインのリーディングカンパニーとしてイギリス市場での地位を確立し、2世紀にわたりファインワインの生産を続けています。現CEOのクリス・ブランディは7代目にあたり、30代の若さで歴史ある企業を引き継ぎました。
その特徴は、ボディのしっかりしたリッチなスタイル。世界中のワインコンペティションで、その品質の高さを認められており、ワインメーカーのフランシスコ・アルブケルケは、インターナショナルワインチャレンジで、”フォーティファイドワインメーカーオブザイヤー”を2008年から3年連続受賞しています。発酵期間や熟成場所の条件がもたらす甘みや丸みのある酸は、伝統を重んじつつ革新的なマデイラワインのスタイルといえます。
ブランディーズは「マデイラワインカンパニー社」のブランドの1つであり、その他コサート・ゴードン、リーコックス、マイルズというブランドもあります。
ドリヴェイラ社は、1850年にジョアン・ペレイラ・ドリヴェイラが設立。セルシアル、ヴェルデーリョ、ティンタ・ネグラを栽培するブドウ畑を所有する一方で、島内約40軒の栽培農家からブドウを購入しワインを造っています。
ドリヴェイラは、創業年でもある1850年物のヴェルデーリョなど、他社にはないヴィンテージを多く所有することで知られ、モスカテルやテランテス、バスタルドという希少品種のオールド・ヴィンテージも所有しています。
また、ヴィンテージだけでなく、5年、10年、15年熟成において4種の味わい(辛口、中辛口、中甘口、甘口)をそろえ、豊富に商品を有しています。古くから脈々と受け継がれる伝統を守る生産者です。
マデイラワイン協会(マデイラワイン・刺繍・手工業協会–IVBAM)は、マデイラワインを統括する公的機関です。マデイラワインのプロモーションのほか、認証機関の役割を果たしています。すべての生産者は、マデイラワイン協会の認証を得てから、商品を製造・販売できます。
現在、マデイラワインは、8社で生産。そのうち6社は日本へ輸出しています。全生産者の名前を紹介いたします。
日本へ輸出している生産者
- Henriques & Henriques, Vinhos S.A.
(エンリケシュ&エンリケシュ) - H.M.Borges, Sucrs, Lda.
(H.Mボルジェス) - J.Faria & Filhos, Lda.
(J.ファリア・イ・フィロス) - Justino’s –Madeira Wines, S.A.
(ジャスティーノス)
- Madeira Wine Company, S.A – Blandy’s
(「ブランディーズ」を有するマデイラワインカンパニー) - Pereira D’Oliveira(Vinhos), Lda.
(ペレイラ ドリヴェイラ) - Vinhos Barbeito(Madeira), Lda.
(ヴィニョス・バーベイト)
※アルファベット順に掲載
そのほかの生産者
- CAF-Cooperativa Agricola do Funchal, Crl