Column コラム

マデイラ島ツアーに行ってきました(3)

2019.10.4

さて、バーベイト訪問【後編】です。

エスペターダランチで満腹になった私たちは、あるブドウ畑に向かいました。
食事の前に立ち寄ったブドウ畑は、ティンタ・ネグラの畑で既に収穫は終了。今年は大体1か月くらいと、短い収穫期間だったようですが必要な量と質は確保できたとリカルドが言っていました。
話を戻しますが「あるブドウ畑」というのは、ファジャー・ドス・パドレスという地区のブドウ畑で、マデイラ島に一番最初にブドウが植えられた場所、なのです。マデイラ島に一番最初に植えられた品種はマルヴァジア・カンディダで、ギリシャのクレタ島の原産です。その後、マルヴァジアは「マルヴァジア・サンジョルジュ」という品種が主流となり(今も)、現在マルヴァジア・カンディダはごくごく限られたエリアでしか栽培されていないのです。
今回に限りこの畑に連れてってもらう事ができました。

その畑に行く手段はロープウェイだけ!
標高の高いところから降りなくてはなりません。ロープウェイは傾斜がきつく、かなりスリリング。するする降りていくと、のどかな農作物の菜園がありました。葉物野菜を育てている横でパパイヤが青々となっていました。
リカルドに「こっちだよ!」と言われ、ブドウの木がトンネルのようになった道をずんずん進んでいきました。ブドウの木の横にはバナナ畑があり(しかもこんなに近くに植わっているのをみたのは初めて)、さらにはマンゴーがたわわに実っており、ここが熱帯エリアだという事が一目で良くわかりました。
湿気に弱いはずのテランテスも栽培されており、このマデイラのマイクロクライメット度合いに頭がくらくらしました。
すぐそばが海で、ブドウがあって、バナナがあって、マンゴーがあって、しかも何種類も違うマンゴーの木があって、アボカド、ざくろ、パパイヤ、レタス、トマト、インゲン…なんでもある!
全員、歩きながら出てくる言葉は「わー!」「えー!」「おお!」「面白い!」だいたいこの4つでした。

1軒の小さな小屋に到着しました。そこでマルヴァジア・カンディタのマデイラワインが作られていたのです。
「ここかぁ…!」
オーナーのマリオさんはリカルドと旧知の仲で、彼のワインのボトリングはバーベイトで行っています。
その小屋はカンテイロでもあり、中は思った以上に湿度が高かったです。汗だくの人も何人かいらっしゃいました。素朴に作られたマルヴァジア・カンディタ、素晴らしい味わいでした。コクと複雑味と優しい甘さ…。昔のマデイラはこんな感じだったのかな?と思いをはせました。
ブドウの生産量が多くないので大量には売っていないそうで、弊社のカタログにも数量が少ないので掲載していないのですが、マデイラエントラーダには1990年と1986年が置いてあります。気になる方は是非お召し上がりください。
佐藤がファジャー・ドス・パドレスの話もしてくれると思いますよ!

途中、私が見つけたものの中に「ピタンガ」がありました。
ピタンガは、『ジンカニングス』に使われているボタニカルの1つです。Googleで検索した写真しか見たことがなかったので、気が付いた時はかなり嬉しかったです。
赤く熟した実を採って食べてみました。
・・・ん?
ん~、ん?
甘くない。苦味みたいなのもあって、果物と野菜の中間みたいな果物だな、と我々の中ではそういう整理になりました。ちょっとサクランボみたいなイメージを持って口にしただけに、実際の味とのギャップが大きすぎました。
断崖絶壁には今では使われていない垂直リフトがまだかかっていて「あれで降りたら相当怖いんじゃないかなあ」と思っていたのですが、帰国して知ったのは、社長の木下があのリフトで降りたことがあるという事!
・・・さすが。