Column コラム

マデイラ島ツアーに行ってきました(4)

2019.10.11

少し間が空いてしまいましたが、今日はブランディーズの訪問記です。

マデイラ島滞在3日目。
この日はフンシャルの中心地にあるブランディーズのワインロッジを訪問しました。
私たちは、チェックイン当日にホテルの部屋に届けられたブランディーズからのプレゼント、ストローハットを全員かぶって訪問。「おー!似合うねー!」とワインロッジのスタッフに大ウケでした。
まずは「獅子の間」という、大きな熟成樽が置かれているエリアから見学。
その昔、樽を引いて持ってくる男たちの屈強な体格が「獅子のよう」に見えるという事から名づけられたそうです。大きな木樽には、その樽を作った樽職人の名前のラベルも貼られています。樽はほとんどのメーカーで修繕して使っているので、樽職人は非常に重要な役割なのだそうです。
獅子の間の小路をはさんでワインロッジの本体建物があるのですが、この小路は坂道となっていて、昔はこの坂を利用して樽を転がし、港に停泊している船まで移動させたそうです。

ワインロッジには様々な展示があます。樽を紹介するコーナーでは昔の職人の道具があったり、真ん中を切り取って通れるようにした大きなクーパでは自分がワインになったつもりを体験できたり。最近リニューアルされた展示物としては、マデイラ島の土壌なども紹介されています。
そしてこのワインロッジで一番暑くなる、最上階のカンテイロへ移動。
暑い時では室温が44度くらいになることもあるそうです。
ここではびっしり樽が置かれていました。この樽のほとんどが若いワインで、しっかり熱いところで凝縮させるそうです。その後1階下、もう1階下、とどんどん涼しいところに移動させていき、ゆっくり時間をかけて凝縮させていきます。
ブランディーズでは様々な環境の熟成庫があり、同じ品種同じ収穫時期のワインでも、どこに樽を置いて熟成させたかによって味わいが変わってくるので、「熟成庫がテロワール」というように説明しています。

展示室には、ブドウの品種や生産地などが分かりやすく展示されており、商品のレンジの紹介もされていました。そして、ブランディー家の歴史がまとめられた部屋では初代から7代目クリスまでの歴代の当主の写真や、当時の取引に関する文書や著名人からの手紙など、200年以上続くブランディーズのあゆみが貴重な品々とともに展示されていました。
目を引くのは、ヤギの皮。
昔はワインを運んでくるのにヤギの皮をバッグ状にして、その中にワインを入れていました。持ってくる途中にのどが渇いて中身が少なくなってしまうという、あるある話も。
大体ここまでが一般の見学ルートなのですが、我々は特別に地下の倉庫も見せてもらえます。
この地下にはかなり古いワインが大きなガラスの容器に移されて(デミジョン)保管されていて、2020年に向けたスペシャルリリースで使われる予定だそうです。
その奥には分厚い鉄の扉があり、(以前ブランディーズの建物は銀行としても使われていて、その名残。病院、刑務所、修道院としても使われていたという歴史的な建築物です)中にはブランディー家のファミリーリザーブである古い古いヴィンテージが保管されていました。
圧巻の品揃え…ブランディーズ恐るべし。
こんなに古いワインが美味しく飲めるのですから…マデイラワイン恐るべし。

ロッジツアーの最後は試飲。
今回は7種類のワインを用意してくれました。
その中に、今年の新商品が2つ、ヴェルデーリョ2008とマルムジー1981がお目見え。
マルムジー1981が衝撃的な美味しさで、佐藤と二人で唸ってしまいました。
(この商品は来年入荷予定ですのでお楽しみに!)
こうやって一足早く、新商品を試飲できるのも現地訪問ならではかと思います。
試飲の後、隣に併設された”Bistro 1811”にてランチ。
シュリンプシーザーサラダ、鶏の胸肉のグリルと野菜のソテー、マデイラソース添え、デザートにはブアルアイスクリーム。
どれもとても美味しかったです。
食後はワインショップとギフトショップでショッピングを楽しみました。
ブランディーズワインロッジでは、一般観光客向けにもガイドツアーがあります。
とても便利なエリアなので是非訪れてみてください。